こんにちは。
今週号では、Nouveau Monde Graphiteが北米初の統合型黒鉛サプライチェーンをどのように構築しているか、そしてそれが中国以外から電池材料を調達しようとするすべての企業にとってなぜ重要なのかを取り上げます。
今週のクリーンテック関連ニュース
- pH7が電気で重要鉱物を精製する技術のために4,400万ドルを調達
- アルバータ州が世界第3位のリチウム埋蔵量を持つ可能性
- Microsoftが炭素除去(CDR)クレジットの購入を一時停止
追伸:先週、私たちは第1回CTCラウンドテーブルを開催しました。クリーンコンピューティングに取り組む創業者、投資家、エネルギー事業者、政策立案者を交えた深い議論の場でした。今後は定例化していきたいと考えています。この分野で活動されている方でご参加に興味があれば、ぜひご連絡ください。
NMGが北米の黒鉛サプライチェーン構築に向け4億1,000万ドルを確保
概要:Nouveau Monde Graphiteは、Matawinie黒鉛鉱山のために4億1,000万ドルを確保し、鉱石から電池グレード加工材料までを一貫して扱う、北米初の完全統合型黒鉛事業を構築しています。
詳細:今回の投資は、Investissement Québecおよびイタリアのエネルギー企業Eniとともに、Canada Growth Fundが主導しました。この案件は、EDC(カナダ輸出開発公社)とカナダインフラ銀行による3億3,500万米ドルの負債パッケージの上に成り立っています。公的資本がリスクを低減させることで、民間資本の参入を後押しする構図です。
NMGはまた、Panasonic、Traxys、そしてカナダ政府とのオフテイク(引取)契約も確保しており、鉱山が稼働を始める前から需要を固めています。
重要な理由:黒鉛はクリーンエネルギーのバリューチェーンにおいて重要でありながら、過小評価されがちな材料です。リチウムイオン電池の負極における主要材料であり、電池の材料重量の約50%を占めます。
しかし世界の供給は中国に極端に集中しており、中国は黒鉛生産の約70%、そして電池負極材料の加工に至ってはほぼ100%を占めています。中国はこの重要鉱物に対する支配力を行使する形で輸出規制を強化しており、米国やカナダの産業政策の下では、国内(域内)供給が調達上の必須要件になりつつあります。
今回の取引は、カナダの電池材料企業が米国市場のリスクにどう向き合っているかも示しています。米国の自動車メーカー(OEM)による後ろ盾はなく(NMGは以前のGMとのオフテイク契約を終了しています)、資金調達はカナダおよび欧州の資本によって支えられ、オフテイク先もEV向けにとどまらず電池式蓄電(BESS)分野にも広がっています。
今後の展望:今回の新たな資金調達により、NMGは最終投資決定(FID)と建設に向けた軌道に乗りました。次の焦点は、北米に前例のない生産拡大(ランプアップ)をいかに実行するかに移ります。
その他のニュース
pH7 Technologies(ブリティッシュコロンビア州バンクーバー)は、重要鉱物の抽出プラットフォームのためにシリーズBラウンドで4,400万ドルを調達し、Asahi KaseiおよびCircular Innovation Fundを新たな出資者として迎えました。
「シリーズBの初回クローズ直後に、pH7の創業者であるMohammad Doostmohammadi氏と話をし、彼らがどのように化学薬品の代わりに電気を使って重要鉱物を精製・加工しているのかを掘り下げました。対談はこちらからご覧ください →」
Rock Tech Lithium(オンタリオ州トロント)は、オンタリオ州のリチウム変換施設を進めるため、BMI Groupから2億ドルを確保しました。
Fondaction Asset Managementは、Triodosとともに3億ユーロ規模の自然資本ファンドを立ち上げ、農地や森林を再生型農法・林業へ転換していく計画です。
Microsoftが沈黙:Heatmapによれば、Microsoftはパートナー企業に対しCDR(炭素除去)クレジットの購入を一時停止すると伝えているとのことです。このソフトウェア大手はこれまでに4,500万トンを購入しており、これは全炭素除去購入量の約80%に相当します(ただしMicrosoftは、購入を無期限に停止するものではないと否定しています)。
「重要な理由:最大の買い手を失えば、CDR市場は大幅に縮小します。Microsoftは『信頼の裏付け』としての役割も担っており、他の買い手は同社のデューデリジェンスに乗る形で自らの購入判断を下すことができました。とはいえ市場が消滅するわけではありません――Microsoft以外の買い手は昨年320万トンを購入しています。」
その他、目を引いた鋭い考察はこちら:こちら、こちら、こちら。
リチウムの潜在力:アルバータ州は世界第3位となる可能性のあるリチウム埋蔵量を有しており、炭酸リチウム換算で8,250万トンにのぼります。中国以外の供給源へのニーズが高まる中、リチウム需要が伸び続ける世界においてこれは重要な資源です。
サステナブルファイナンス:カナダは、2026年末までに国家的なサステナブルファイナンス・タクソノミーを策定するため、タクソノミー・移行計画評議会のメンバーを任命しました。
水素分野の縮小:ニューファンドランド・ラブラドール州の水素セクターは稼働中のプロジェクトが2件まで減少しました。North Atlanticの324MW風力発電由来水素プロジェクトと、EVRECの2.6GW水素・アンモニアプラントのみが残っています。その他のプロジェクトは、王有地の使用料や市場環境の悪化により凍結されました。
太陽光発電への補助:Hydro-Québecは、住宅用・商業用屋根置き太陽光発電の普及を加速し、投資回収期間を半減させるため、設置1kWあたり最大1,000ドルの補助金を提供しています。
ノバスコシア州の新エネルギー政策:ノバスコシア州は、洋上風力発電プロジェクト向けのロイヤルティ制度を定める新法を可決し、地熱、天然水素、炭素貯留に関する新たな制度枠組みも導入しました。これにより大きな法的な空白が埋められることになります。
その他の注目ニュース
- Stegraがグリーンスチール事業の延命資金を確保、新たなオーナーも
- クリーンエネルギーが「戦争特需」で後押しされる可能性
- このスタートアップは核融合を直接電力に変換しようとしている
- 自由党が、エネルギー効率を「国家建設」プロジェクトと位置づける政策を採択
- 原子力発電所が家庭の暖房を担う日は来るか
- また一社、電池リサイクル企業が経営破綻
- 欧州の空港でジェット燃料が数週間以内に枯渇する可能性
イベント・求人情報
🚀 NRC e-Auto Challenge:NRC(カナダ国立研究評議会)主催。EVサプライチェーンにおけるイノベーションを促進するための資金提供プログラムです。
🗓️ PNW Climate Week - バンクーバー説明会:PNW Climate Weekがバンクーバーに上陸します。4月22日開催。
🗓️ Climate Global 2026:Web Summitに合わせて開催されるこのイベントでは、クリーンテック分野での市場参入、国際パートナーシップ、海外投資を促進する意思決定者が集います。5月12日、バンクーバー開催。
💻️ Diagramが共同創業者兼CEO(商業向けBattery-as-a-Service新規事業)を募集中
💻️ Growcerが研究開発ディレクターを募集中
※ こちらの記事はClimate Tech Canadaの翻訳記事になります。