今週号では、カナダ投資サミットを取り上げます。1800億ドル超のクリーン経済プロジェクトが並び、実質的には「気候テック・サミット」だったことを解説します。
その他のクリーンテック関連ニュース:
- Kanin Energyが産業排熱回収事業で1億ドルを調達
- WittingtonとAmplifyが3本目となる新ファンドを組成
- 関税がクリーンテック企業に与える影響
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カナダ投資サミット、1840億ドル規模のクリーン経済プロジェクトを披露
概要: カーニー首相は先週トロントでカナダ投資サミットを主催し、今後5年間でカナダ国内プロジェクトへ1兆ドル超の投資を呼び込むことを目指しました。
詳細: プロスペクタス(投資案件集)には、さまざまな段階にある160件以上のプロジェクトが掲載されています。パイプラインや港湾施設に重点が置かれているように見えますが、内訳を見るとエネルギー移行そのものを示す内容になっています。
- 再生可能エネルギープロジェクト:465億ドル
- 電力・公益事業・送電網インフラ:489億ドル
- 再生可能燃料(SAFプロジェクト5件を含む):298億ドル
- 重要鉱物の採掘・精製・バッテリーサプライチェーン全般:511億ドル
- Deep SkyのDAC(直接空気回収)ハブやSvanteのBECCSプロジェクトなど、その他の気候テック関連:50億ドル以上
合計すると、クリーンエネルギーおよび低炭素プロジェクトは約1840億ドル、リスト全体の設備投資額の約40%を占めています。
カーニー首相はまた、生産性メガ控除(Productivity Mega Deduction)を発表し、カナダの投資に対する実効税率を米国の半分にあたる6.4%まで引き下げるとともに、対象資産の範囲も拡大しました。
なぜ重要か: 気候テックとクリーンエネルギーが大きく取り上げられたことは、カナダがこれまで世界の資本に対して行ってきた売り込み方からの転換を意味します。エネルギー移行関連プロジェクトは、助成金や実証プラントの枠を超え、パイプラインや高速道路と並ぶインフラ投資カテゴリーとして扱われています。
カーニー首相は米国以外の市場も視野に入れています。リストには、需要増加に対応する発電拡大、低炭素燃料の輸出、そしてカナダ産ウラン・水素・電池材料を市場に届けるための新たな港湾・鉄道整備も含まれています。
ただし:
- 提案リストに含まれる他のプロジェクト(石炭鉱山2件を含む)は、年間約1億8000万トンの排出を固定化させる可能性があります
- 実際に着工するには、プロジェクトが組成され、融資可能な形に整える必要があります
結論: カーニー首相の投資サミットは、結局のところ「隠れた気候テック・サミット」だったと言えます。これからは、注目を実際の資金拠出に変えるため、プロジェクトを融資可能な形にする作業が本番を迎えます。
資金調達ニュース
Kanin Energy(アルバータ州カルガリー)は、Canada Growth FundとS2G Investmentsから1億ドルを調達し、米国およびカナダ全土で産業排熱を電力に変換するプロジェクトを展開します。Kaninは、排熱を回収して電力に変換する「エネルギー・アズ・ア・サービス」モデルで事業を行っています。
Cura(アルバータ州カルガリー)は、Zacua Venturesが主導する1400万ドルの資金調達を完了しました。Curaは電気化学プロセスを用いてセメントを製造する技術を持ち、今回の資金を商業化加速に充てます。
Ultimarii(アルバータ州カルガリー)は、エネルギー・重要鉱物・インフラ分野向けの許認可・規制インテリジェンスプラットフォームに対し、シリーズAで1300万ドル超を調達しました。
NorthXは、Carbonyx、Tydra Labs、Seafoam Materialsを含む女性主導の気候スタートアップ5社に250万ドルを投資しました。
RecycLiCo(BC州デルタ)は、核融合技術企業Type One Energy Groupに100万ドルを投資しました。
Wittington Venturesは、気候・食品分野等のシリーズA・Bステージ企業に投資する3本目となるファンド(1億8000万ドル)の組成を完了しました。
Amplify Capitalも3本目のファンドを組成し、気候・ヘルス・ワークテック分野のアーリーステージ企業向けに6000万ドルを調達しました。
その他のアップデート
pHathom Technologiesは、ニューブランズウィック州で海洋ベースの炭素除去技術の試験運用を開始しました。
Enhance Energyは、アルバータ州にてカナダ最大となる炭素回収施設「Originsプロジェクト」の建設に着手しました。
Hypocotylは、圃場レベルで穀物の炭素強度を測定し、食品システムにMRV(測定・報告・検証)を導入する事業をステルスから正式に立ち上げました。
マニトバ州は、マニトバ大学近郊で1000世帯以上にサービスを提供する地熱地域冷暖房システムの建設を進めています。
Airex Energyは、NB Powerに木質ペレットを供給し、Belledune石炭火力発電所をバイオマス燃料に転換します。Belledune発電所はニューブランズウィック州電力の約15%を供給しています。
Call2Recycleは、カナダ全土で自動車メーカー主導のEVバッテリー回収プログラムを開始しました。
RBCは、米国のChestnut Carbonから改良森林管理由来のカーボンクレジットを購入しました。
関税の影響: クリーンテック企業のおよそ4分の3が米国との貿易摩擦の影響を受けており、特にスタートアップや小規模企業への打撃が大きくなっています。Canada Cleantech Allianceの調査によると、各社は新市場を模索する一方で、サプライチェーンやプロジェクトパイプラインの見直しも進めています。
チャーチル・フォールズ合意: ニューファンドランド・ラブラドール州政府は、チャーチル・フォールズ水力発電所に関するHydro-Quebecとの新たな50年間のエネルギー分配協定に賛成票を投じました。
風力発電の新規募集: ノバスコシア州は、再生可能エネルギー目標の達成と石炭火力の代替に向けて、陸上風力350MW分の新規入札を開始しました。前回の入札では落札案件の大半が後に撤退したため、今回再募集となりました。
- ノバスコシア州はまた、電力会社向けの新たな規制モデルを検討しており、ティム・ヒューストン州首相は、系統運用者が信頼性確保のためバッテリーなどの技術を検討するよう求めています。
資金調達の落ち込み: 新しいレポートによると、カナダのクリーンテック分野へのベンチャー投資は昨年5億9000万ドルまで減少し、2022年のピーク時16億5000万ドルから大きく落ち込みました。特にレイトステージやグロース段階の資金調達に大きなギャップが見られます。
絶滅危惧種への対応: 連邦政府は、プロジェクトが絶滅危惧種保護を回避できるようにする許認可変更について方針を撤回しています。ただし、一部のエネルギープロジェクトは引き続きImpact Assessment Agencyの審査を省略できます。
クイックヒッツ
- EUが4億3000万ユーロの奨励策でSAF導入を後押し
- 石炭需要が今年実は上昇
- GoogleがAIによる排出増加を相殺するためグリーンスチールを支援
- Moss Landingの電池貯蔵施設が再び火災
- 低炭素分野への融資が化石燃料に迫る規模に
- Google、Nvidia、Anthropicが100GWの系統容量確保を模索
- Proxima Fusionが核融合スタートアップ向けに1億4000万ユーロのプラント建設を計画
- マサチューセッツ州がデータセンター向けにクリーン電力規則を導入
- 電池貯蔵の導入量が昨年1.5TWhを突破
募集中のポジション
- Principal Engineer, Electrochemical(e-Zinc)
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- Head of Network Operations Center(dcbel)
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※ こちらの記事はClimate Tech Canadaの翻訳記事になります。